「体のゆがみは利き手を変えればなおる?」
(情報提供:筱田先生)
最近おみえになっている、とても真面目な患者さんのお話です。
症状は、頭痛、首痛、肩こり、腰痛、0脚、腹痛、眼精疲労、足の痛み、イライラ、睡眠障害、パニック障害、、もろもろ不定愁訴のデパートのような方でした。
なんと言ってもとても生真面目な方で、私のアドバイスはその通り必ずやってくださるのですが、やりすぎかな?というくらいなときもあります。
そして、更に自分で考えて色々やるそうなのですが、ストイックすぎるので少し控えめにしていただいているくらいなんです。
その中でもとても印象に残っていることがあって、「左右差が結構あって、お体ゆがんでますねー」の一言に敏感に反応して、それをとても気にしてしまったみたいで「利き手を反対の手に代えて生活してみた」そうです。
しかも徹底的に。全ての動作を。
それで一週間過ごしてみたところ、、、
以前より悪くなってる!?
というくらい変なゆがみ方になってしまいました。
それまでとてもいい状態になっていたにも関わらずです。
なぜでしょう?
左利きの矯正を小さい頃に無理矢理すると、言語障害や夜尿症、そして行動に異常が起こることがあるそうです。
それは使いづらいのに無理矢理使わなければならないストレスがあるようですが、神経回路の混乱ということも考えられます。
どういうことかというと、日常繰り返し行う動作をする際は、ほぼ同じ筋肉と神経回路を使うため、同じ行動をとります。
例えば、お箸やペンの持ち方、ドアを開ける手の動作、ずぼんを履くとき左右の足の入れる順番、自転車を押して歩くときの立ち位置やサドルにまたがる動作、歩行で踏み出し始める足の順番、、、
など、無意識に動かしている時は、ほとんど同じように行動します。
それらを意識的に無理矢理行動しようとすると、やはり筋肉も慣れてないし、神経回路も伝達が悪いので、非常にぎこちなく、体にはストレスがかかります。
その結果、この患者さんは普通の動作をしようとしたときに、なぜか大袈裟な動きになってしまいました。
例えば、手を上にあげる動作でも、野球のピッチャーが振りかぶるように大袈裟に動いてしまうほどで、歩いてる姿なんて初めはわざとやっているのかと思うくらいでした。
医学的には起こりうることで、神経障害のリハビリの現場ではよく見られる行動なのですが、まさか数日間左右利き手を逆にしただけでそこまでなるとは思わなかったので、私も驚きなケースでした。
すぐ治ったので安心しましたが、人体は本当に不思議がたくさんです。
整体も同じで、あくまでその人の自然な形に近づければ楽になりますが、無理矢理骨を動かしたり筋肉をほぐしたりすると痛みや不具合がでるんです。
だからちゃんとした施術であれば、良くなるまである程度時間はかけていきます。
そうでないと不自然だからです。
一回で良くなるとか一生小顔のままです、なんてうたっているところがありますが、まずあり得ません。
ゆがみを治したいからと左右入れ換えれば治る!というほど人体は甘くないようです。
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